鳴り止まない煩わしさにアプローチする「蜂の子サプリ」。
メリットがありますが、食物アレルギーなどの注意点もあります。
ここでは、蜂の子サプリを構成する主な要素である
- 蜂の子
- 補助成分
- 食品添加物
のうち、「蜂の子」を取り上げます。
食品としての「蜂の子」は基本的に問題ない
私たちがよく耳にする「蜂の子」とは、主にミツバチの幼虫や蛹のことです。
「蜂の子」は、古来より貴重なタンパク源や安全性の高い健康食品として食されできました。
約2,000年前に書かれた中国最古の薬学書である「神農本草経」では、蜂の子は上薬、つまり副作用のない不老長寿の最高薬に分類されています。
日本でも、岐阜県や長野県などの山間部を中心に炒め物やつくだ煮といった伝統的な郷土料理が有名です。
サプリではない蜂の子自体は、安全性の高い栄養豊富な食材です。
それでも、他の食品と同様、いくつかの注意点があります。
食品アレルギーに注意

食品アレルギーとは、食品中のアレルゲン(アレルギー物質)を体内に取り込んだ(食べる、触れる、吸い込む)食物に対し、体が過敏に反応して起こる発熱、血圧低下、呼吸困難又は意識障害などの様々な症状のことです。
食物アレルギーは、小児から大人まで幅広い年齢でみられます。
原因物質は、食物に含まれるたんぱく質です。
蜂の子には豊富なタンパク質が含まれており、卵、牛乳、肉、大豆製品といったタンパク質を含む食品と同じように食品アレルギーを引き起こす恐れがあります。
なぜタンパク質でアレルギーに?
食品に含まれるタンパク質は、大切な栄養素ながら生体には異物です。
口から食物を摂取しても全く平気なのは、食物を吸収する腸管の免疫系が全身の免疫系に働きかけるためです。
これがうまく働かない人は、アレルギー反応が起こりやすいと考えられます。
出典:日本食肉消費相談センター
甲殻類アレルギー
エビやカニのアレルギーはよく知られていますが、このアレルギーの主な原因となるのは「トロポミオシン」というタンパク質です。
このタンパク質は蜂の子にも含まれているため、甲殻類アレルギーのある人が食べるとアレルギー反応を引き起こす恐れがあります。
甲殻類アレルギーのある方は、摂取を控えるか、医師に相談した上で摂取するようにしてください。
ハチミツや花粉にアレルギーのある人

蜂の子は、ハチミツや花粉を与えられて成長します。
当然、蜂の子を採取する際にもハチミツや花粉が混入することが考えられます。
ハチミツや花粉にアレルギーのある方は、摂取しても大丈夫か慎重に判断するようにしてください。
摂取する場合、事前に医師に相談するのが安心です。
ハチの針の毒にアレルギーのある人
「蜂には針があるから毒があるんじゃないか?」
と心配される方がいるかもしれませんが、蜂の子やサナギの段階では針も毒も未発達です。
ハチは、卵→幼虫→蛹→成虫という順で成長します。
毒や針を持つのは成虫のメス蜂だけです。
メス蜂のおしりには、卵を産む際に使うストローのような産卵管という管があるのですが、これが針として毒を送り込む役目を兼ねているんです。
ただし、サナギや成虫に近い個体も蜂の子として数えられることがあります。この場合でも、しっかり加熱・何らかの処理をしてあれば毒は分解されるので心配はありません。
仮に加熱や処理が不十分だった場合でも、毒針のある蜂の子を食べても一部成分が分解され、ほぼタンパク質として消化されます。
蜂に刺されたことのある人は、念のため医師に相談を
1度ハチに刺されたことのある人は、2度目に刺された際に蜂毒アレルギーの症状が現れる場合があります。
ひどい場合には、呼吸困難になるあなアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるため、危険です。
蜂に刺されて蜂毒アレルギーと診断された人がこの毒を摂取すると、少量でも症状が出ることがあります。
蜂毒アレルギーと診断された人は、蜂の子自体を食べるのは避けてください。
蜂の子サプリの摂取についても、刺された経験のある方は、念のため医師に相談した上で摂取するかどうかを決めるようにして下さい。
遅延型アレルギー
特定の食物を食べると、激しい症状は出ないけれども、
「なんとなく具合が悪くなるな~」
なんて経験はありませんか?
それって、もしかすると、原因となる食物を摂取して数時間~数日経ってから症状が現れる「遅延型アレルギー」かもしれません。
症状は多種多様で、頭痛、便秘・下痢、肌荒れ、めまい、眠気、倦怠感、肩こりやイライラなどの不調があります。

蜂の子を試してみて、「何か調子が良くない」と思ったら、一度ストップして体調に変化がないか確認してみましょう。
自分の身体に合っているかを確認するため、最初は少量から摂取するのがオススメです。
1歳未満の乳児に与えない

平成29年3月に、東京都足立区でハチミツの摂取が原因と推定される乳児ボツリヌス症による死亡事例が起きました。
ボツリヌス菌が、腸内細菌の少ない乳児の体内に入ると、腸内で増殖して毒素を作ると中毒症状が現れ、乳児ボツリヌス症を発症させることがあります。
ハチミツだけでなく、蜂の子商品にもボツリヌス菌が混入している可能性があるため、1歳未満の乳児には与えないように注意してください。
蜂の子の生育環境もチェックを!

もし、口に入れる蜂の子の生育環境に土壌汚染や農薬汚染があったとしたら、
せっかく健康のために摂取しても、逆に健康を損なうことになってしまうかもしれません。
蜂の子サプリを選ぶ際には、各メーカーの蜂の子がどんな生育環境で育てられてるかもチェックするようにしましょう。
まとめ
ここでは、
- 蜂の子
- 補助成分
- 食品添加物
のうちの「蜂の子」の食物アレルギー等の注意点について取り上げました。
いくつか注意すべき点がありますが、蜂の子は栄養豊富な健康食品で私たちの健康増進に大いに力を発揮してくれると期待できます。
ポイントを抑えて、賢く摂取しましょう。
「補助成分」と「食品添加物」の注意点については、また別の記事で書きたいと思います。