サプリメントを選ぶ際、
ISO、GMP、HACCP認証の有無は、消費者にとって品質の安心度を測る目安となります。
これら3つはどのような違いがあるのでしょうか?
最初に、それぞれがどんなものなのか簡単に取り上げた後、その違いを比較してみたいと思います。
ISO(アイエスオー)とは?

ISO(アイエスオー)とは、本来はスイス・ジュネーブに本部を置く非営利法人である国際標準化機構のことですが、一般的にはこのISOという組織が定める「ISO規格」のことを指しています。
カバー領域の大きい、顧客が求める製品やサービスを供給するための総合マネジメントシステムです。
サプリによっては、ISO22000という規格*の認証を取得した工場で製造されています。
そのため、ISO認証を取得していることは、安全なシステムで製造しているという証明になるんです。
*ISO22000とは:
食品安全マネジメントシステムを構築・運用するためのルールを定めた国際規格のことです。
GMPとは?
「GMP」はGood Manufacturing Practice の略で、適正製造規範と訳されます。
医薬品製造の設備やマニュアルにおいて、事故が発生しない品質管理システムを構築するための規定です。
GMPは1963年にアメリカで初めて法制化され、1969年にWHOが加盟各国に採用を勧告したのをきっかけに、日本でも薬事法に基づいてGMP省令が定められました。
カバー領域はISOより小さいですが、製品製造・品質管理を全てカバーしており、ISOやHACCPよりも品質管理に特化しています。
製薬業界では医療事故防止のためGMPは必須ですが、健康食品には今のところ義務付けられていません。
それでも、健康食品は野菜や魚介類をそのまま摂取するのに比較すればはるかに直接的に健康に影響を与える食品です。
つまり、医薬品ほどではないにしても健康に対して影響力を有する物質を含有する製品であるので、通常の食品とは異なって事故が発生しにくくする必要があります。
特に錠剤やカプセル状の製品は、濃縮や混合などの製造工程で、製品の成分量にバラつきが生じたり、汚染により有害物質が混入したりする可能性があるため、この問題を未然に防止するために健康食品もGMP認証を取得したものがベターというわけです。
そのため、厚生労働省は、GMPマークを目印に健康食品を選ぶよう国民に呼びかけています。
HACCP(ハサップ)とは?
HACCAPは、国連の食品規格 (コーデックス) 委員会*が発表した国際規格です。
厚生労働省HPでは、以下のように紹介されています。
HACCPとは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法です。
出典:厚生労働省HP
主に先進国で導入が進められています。
日本では、令和3年6月1日から、原則として、すべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられるようになりました。
HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Point の略で、以下の意味があります。
HACCP(ハサップ)とは?

HACCP = 「危険分析と重点管理ポイント」のこと
つまり、
- 菌による汚染や異物の混入といった危険を分析し、
- それを無くしたり軽減したりするためのポイントを重点的に管理する
ための手法です。[1]
特に厳重に管理する必要がある工程において、下の3つのハザードを低減・除去するために必要な管理方法を定めます。
3つの危害要因(ハザード)を分析・管理

HACCAPのカバー領域は、GMPの一部分である衛生管理です。
*国連の食品規格 (コーデックス) 委員会とは:
国連の国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同機関です。
ISO、GMP、HACCPの違いとは?
下の図のように、それぞれのカバー領域に違いがあります。

HACCP(危害要因分析):カバー領域は小。食品の製造工程で発生する恐れのある微生物汚染などの危害について管理する仕組み。
ISO(アイエスオー):カバー領域は大。顧客が求める製品やサービスを供給する総合マネジメントシステム。ISO22000は、食品マネジメントシステム(ISO9001)+HACCPベースの食品衛生管理を取り入れたシステム。製品製造・品質管理は一部のみカバー。
GMP(適正製造規範):カバー領域は中。製品製造・品質管理を全てカバー。ISOやHACCPよりも品質管理に特化している。品質管理を重点的に徹底するための規格と言える。
これらの認証を得ているものを選ぶことで、品質が良く、安全性の高いサプリを購入するようにしましょう。